2007年 08月 30日
工作物と建築士資格 |
今回のご質問は40m級の鉄塔などを造っている方からの少々専門的なご質問です。
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回 答 書
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■質問1)建築物ではなく工作物の場合における
1級建築士と2級建築士の差異について
●回答
建築士法には工作物の準用規定がないため、設計に際し
建築士の資格要求はありません。
例えば、遊技具(観覧車やジェットコースターなど)も工作物
ですが、それを建築士が設計することは稀です。
(遊技具は遊技具会社の技術者が設計をします。)
ただし、構造上の安全は確保する義務があり、設計に際しては
地盤調査〜構造設計を必要とし、建築基準法の「一般構造基準
その他」の法令は順守する義務があります。
つまり、建築基準法は建築に関わるもののみが守るべき法律で
はなく、国民全てに順守義務があると言うことです。
■質問2)
2級建築士は都道府県知事の免許を受けるとあるが愛知県の
仕事しか出来ないと言うこと?
●回答
いいえ、登録先が各都道府県知事ということであって、
仕事そのものは全国で行えます。
■質問3)
建築確認申請において工作物の区分 06320 鉄筋コン
クリート造の柱、鉄柱、木柱その他これらに類するもの
15m以上が必要で、(実際よく施工しているのは40mのアン
グル鉄塔、40mの鋼管鉄塔)高さ13m、又は軒高9mを越える
ものだから1級建築士しか設計図書の作成等ができないのか?
つまり確認申請はできないのか?
●回答
準用工作物である40m級の中継基地の場合、当然15mを
超えていますので「工作物申請」を要します。
また、質問1に示すように設計者の建築士の資格は不問で、
申請書の設計者の欄については、設計責任者の「住所氏名
(及び会社名)」は記入する必要がありますが、建築士の資
格を持たない場合は、資格欄が空白になると言うことになり
ます。ただし、建築士が設計した場合は資格欄に記入する義
務が発生します。(士法第20条)
また、申請書には「構造図」「構造計算書」なども「意匠図」
に合わせて添付する必要がありますので、多くは建築士を設
計者とするのが一般的です。
■質問4)
建築士受験資格において建築の実務経験年数は工作物の実務
経験年数も加算されるのか?(例えば仮に私が現在、1年経験
あるとして、この1年鉄塔建設の実務経験をすると、来年実務
経験が計2年となり1級の受験資格となるのか?)
●回答
建築基準法 第88条にある工作物等を監督する者は、その実
務経験を建築士の受験資格にすることができます。
注)今回、行政(愛知県建築指導課)にも確認を取りましたが、
念のため、貴社内部の専門部署にてダブルチェックをお願
い致します。
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40m級の鉄塔の場合、その設計に際し建築士の資格は確かに不問ですが、建築物でも31m以上は”超高層”扱いとなり、より厳しい扱いを受けますので、1級建築士以上の技術力を要すると考えられることをお勧めします。
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回 答 書
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■質問1)建築物ではなく工作物の場合における
1級建築士と2級建築士の差異について
●回答
建築士法には工作物の準用規定がないため、設計に際し
建築士の資格要求はありません。
例えば、遊技具(観覧車やジェットコースターなど)も工作物
ですが、それを建築士が設計することは稀です。
(遊技具は遊技具会社の技術者が設計をします。)
ただし、構造上の安全は確保する義務があり、設計に際しては
地盤調査〜構造設計を必要とし、建築基準法の「一般構造基準
その他」の法令は順守する義務があります。
つまり、建築基準法は建築に関わるもののみが守るべき法律で
はなく、国民全てに順守義務があると言うことです。
■質問2)
2級建築士は都道府県知事の免許を受けるとあるが愛知県の
仕事しか出来ないと言うこと?
●回答
いいえ、登録先が各都道府県知事ということであって、
仕事そのものは全国で行えます。
■質問3)
建築確認申請において工作物の区分 06320 鉄筋コン
クリート造の柱、鉄柱、木柱その他これらに類するもの
15m以上が必要で、(実際よく施工しているのは40mのアン
グル鉄塔、40mの鋼管鉄塔)高さ13m、又は軒高9mを越える
ものだから1級建築士しか設計図書の作成等ができないのか?
つまり確認申請はできないのか?
●回答
準用工作物である40m級の中継基地の場合、当然15mを
超えていますので「工作物申請」を要します。
また、質問1に示すように設計者の建築士の資格は不問で、
申請書の設計者の欄については、設計責任者の「住所氏名
(及び会社名)」は記入する必要がありますが、建築士の資
格を持たない場合は、資格欄が空白になると言うことになり
ます。ただし、建築士が設計した場合は資格欄に記入する義
務が発生します。(士法第20条)
また、申請書には「構造図」「構造計算書」なども「意匠図」
に合わせて添付する必要がありますので、多くは建築士を設
計者とするのが一般的です。
■質問4)
建築士受験資格において建築の実務経験年数は工作物の実務
経験年数も加算されるのか?(例えば仮に私が現在、1年経験
あるとして、この1年鉄塔建設の実務経験をすると、来年実務
経験が計2年となり1級の受験資格となるのか?)
●回答
建築基準法 第88条にある工作物等を監督する者は、その実
務経験を建築士の受験資格にすることができます。
注)今回、行政(愛知県建築指導課)にも確認を取りましたが、
念のため、貴社内部の専門部署にてダブルチェックをお願
い致します。
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40m級の鉄塔の場合、その設計に際し建築士の資格は確かに不問ですが、建築物でも31m以上は”超高層”扱いとなり、より厳しい扱いを受けますので、1級建築士以上の技術力を要すると考えられることをお勧めします。
by DEPTH-TRUCT
| 2007-08-30 23:54
| ご質問