2009年 09月 14日
大ナゴヤ大学 |
またまた面白そうな企画が動き出しました。
「大ナゴヤ大学」
http://dai-nagoya.univnet.jp/
昨日はその開校日、今回は以下の8講座
●【食】
原田さとみの“勝手に小倉トースト研究会”
●【芸術】
街とアートの出会い(あいちトリエンナーレ2010 長者町プロジェクト2009エリア)
●【社会】
ナゴヤの謎スポット“覚王山”を歩く
●【文化】
名駅ビル群の近くで発見! ~のんびり下町「円頓寺界隈」の魅力をつまみ食い~
●【社会】
モノづくりのまちを歩こう 第一弾 『SHIBORIの世界~有松鳴海のレトロモダンな町並みを巡る~』
●【文化】
B級ナゴヤ発見!コンクリート仏像見学ツアー ~東海珍名所の巨匠が手がけたコンクリート仏像を訪ねる~
●【社会見学】
堀川歴史探検隊 ~熱田神宮から宮の渡しまで~
●【環境】
雑草を愛でる。
私が講座のページを開いた時は、時すでに遅く、みんな定員に・・・いや、かろうじてモノづくりのまちを歩こう 第一弾 『SHIBORIの世界〜有松鳴海のレトロモダンな町並みを巡る〜』講座に空きが!
私としては持って来いだとばかりにクリック!!その瞬間、綺麗に全ての講座が「定員」になり、小さな幸せに包まれました。(笑)
しかし、当日は朝から雨降り・・・でも、ここのところの日照りで、この雨は『慈雨』だったはず。
12:24 有松駅到着
有松の街を歩くのは随分久しぶりです。
■授業
集合場所の有松・鳴海絞会館で「有松鳴海絞り」のレクチャーを受け、有松の歴史と絞りの歴史を学び、絞り染めが有史以来世界各地で自然発生的に行なわれていたことを知り、ビー玉と輪ゴムとビニル紐を使った染め体験では、その基本的で簡単な染めの技術を体験した一行は、江戸期に有松全体で『一万石』を納めるまでになった街並を歩き、現在も呉服商を営む「竹田邸」(名古屋市指定文化財・都市景観重要建築物)にお邪魔させていただいて、江戸中期の茶室で当主のお話に耳を傾けました。
今に続く美しい街並を残す有松の豪商も、明治維新と敗戦には翻弄されたようです。事実、現在も現存する商家を取り壊し、マンションにする申請が出ているそうですが、有志が立ち上がって市に働きかけて、新しい方法を模索していると聞きましたが、昨日の(9/13)の新聞で福祉施設とする方向性が見えてきたようです。
先人達が残した美しい街並だからこそ、その想いが受け継がれ有志が立ち上がるのですね。
■アウトプット
この企画では単に授業を受けるだけでなく、発表・アウトプットを求めます。つまり、より多くの方が追体験できるシステムは判り易くていいシステムです。チームの発表とは別に、それぞれが5つのキーワードを選出し、以下は私が挙げたもの・・・。
「世界共通」
世界共通の絞り染めという極めて原始的な方法は、植物の原種が環境に強いように、未来に対して多くの可能性を秘めている。
「ハイブリッド」
伝統技術は宝の山、新しい様々な技術との融合=ハイブリッドで、伝統に新しい息吹きと価値観が生まれ、技術が継承される。
「流行速度」
流行の速度と伝統技術の継承という問題の両立はなかなか難しいが、共存できる流行速度を持つ世界を探すには、新たな視点・価値観を見つけるが肝要。
「手仕事の斑(むら)」
製品の工業化(フラット化)は、モノの味わいを奪い過ぎてしまい、人々の感性や世界観を狭くしたきらいが拭えない。手仕事の味わい(斑)を愛でる文化はきっと人の感性や世界観を広げ、その柔軟性こそが様々な持続を可能にするだろう。
「絞りと街並」
先人達は伝統技術で繁栄を成し、美しい街並を残す事で幸せを築くのシステムを構築したが、現代の私達は技術文明が発達しても美しい街並すら残せず、その意味で現代人は先人程のシステムを構築できていないのではないか。
■開校式〜発表〜パーティー
開校式には河村名古屋市長も挨拶で華を添え、それより何よりこの大ナゴヤ大学に参加された人々が素晴らしく面白かったです。講座を見てもわかるように、「んっ?」とか「えっ?」とか思う事を面白可笑しく見ようとするお方が多かった!
いままで日の目を見なかった物事は、もともと情報が少ないだけで、その裏には豊かな世界が隠れている場合があって、その発見や再発見は今の閉塞感を打破する力があるに違いありません。今まで「当たり前」とか「常識」と思っていたモノも見方を変えてみる。例えば川を上るシャケを獲る権利は日本とアラスカでは違いました。
日 本:1)漁師、2)釣り人、3)クマ
アラスカ:1)クマ、2)釣り人、3)漁師
人は連綿と築き繋がってきた豊潤な物語を捨て、経済優先の物語に重きを置いて『欲望』と『自意識』を肥大させてきましたが、その進化系であるグローバルな経済至上主義はすでに行き詰まりを見せています。昨今の閉塞感はその行き過ぎた経済優先の物語を、バランスの良い着地点に導く為の改革期なのではないでしょうか。
今回の大ナゴヤ大学の着想はその意味で根源的で面白いと思います。これから毎月講義があるようなので、いろいろ楽しみが増えそうです。興味のある方は如何ですか?
**************
そうそう、有松の豪商の屋敷や、昔は船遊びが出来る程広かったという庭や茶室は雨音さえどこか風流な趣があり、また、実際の絞り染め体験や、電車内で作品を見せ合ったり、名古屋から納屋橋までものすごい豪雨の中、びしょびしょに濡れて歩いた事。パーティでは4人も知り合いが居て驚いたり、初めて逢う方ともお話しできたり、意外な繋がりがあったりと面白く楽しいひと時でした。
(有松鳴海絞りの浴衣でお披露目もあって、
パーティー会場では目立ってました!)
最後に「有松チーム」の講師の村瀬さん、鶴田さん、授業コーディネーターの難波さん初めスタッフの皆様、そして参加された学生の皆々様、いろいろありがとうございました!とても楽しいひと時を戴きました。また、是非お逢い致しましょう!今後とも宜しくお願い致します。
「大ナゴヤ大学」
http://dai-nagoya.univnet.jp/
昨日はその開校日、今回は以下の8講座
●【食】
原田さとみの“勝手に小倉トースト研究会”
●【芸術】
街とアートの出会い(あいちトリエンナーレ2010 長者町プロジェクト2009エリア)
●【社会】
ナゴヤの謎スポット“覚王山”を歩く
●【文化】
名駅ビル群の近くで発見! ~のんびり下町「円頓寺界隈」の魅力をつまみ食い~
●【社会】
モノづくりのまちを歩こう 第一弾 『SHIBORIの世界~有松鳴海のレトロモダンな町並みを巡る~』
●【文化】
B級ナゴヤ発見!コンクリート仏像見学ツアー ~東海珍名所の巨匠が手がけたコンクリート仏像を訪ねる~
●【社会見学】
堀川歴史探検隊 ~熱田神宮から宮の渡しまで~
●【環境】
雑草を愛でる。
私が講座のページを開いた時は、時すでに遅く、みんな定員に・・・いや、かろうじてモノづくりのまちを歩こう 第一弾 『SHIBORIの世界〜有松鳴海のレトロモダンな町並みを巡る〜』講座に空きが!
私としては持って来いだとばかりにクリック!!その瞬間、綺麗に全ての講座が「定員」になり、小さな幸せに包まれました。(笑)
しかし、当日は朝から雨降り・・・でも、ここのところの日照りで、この雨は『慈雨』だったはず。
12:24 有松駅到着
有松の街を歩くのは随分久しぶりです。
■授業
集合場所の有松・鳴海絞会館で「有松鳴海絞り」のレクチャーを受け、有松の歴史と絞りの歴史を学び、絞り染めが有史以来世界各地で自然発生的に行なわれていたことを知り、ビー玉と輪ゴムとビニル紐を使った染め体験では、その基本的で簡単な染めの技術を体験した一行は、江戸期に有松全体で『一万石』を納めるまでになった街並を歩き、現在も呉服商を営む「竹田邸」(名古屋市指定文化財・都市景観重要建築物)にお邪魔させていただいて、江戸中期の茶室で当主のお話に耳を傾けました。
今に続く美しい街並を残す有松の豪商も、明治維新と敗戦には翻弄されたようです。事実、現在も現存する商家を取り壊し、マンションにする申請が出ているそうですが、有志が立ち上がって市に働きかけて、新しい方法を模索していると聞きましたが、昨日の(9/13)の新聞で福祉施設とする方向性が見えてきたようです。
先人達が残した美しい街並だからこそ、その想いが受け継がれ有志が立ち上がるのですね。
■アウトプット
この企画では単に授業を受けるだけでなく、発表・アウトプットを求めます。つまり、より多くの方が追体験できるシステムは判り易くていいシステムです。チームの発表とは別に、それぞれが5つのキーワードを選出し、以下は私が挙げたもの・・・。
「世界共通」
世界共通の絞り染めという極めて原始的な方法は、植物の原種が環境に強いように、未来に対して多くの可能性を秘めている。
「ハイブリッド」
伝統技術は宝の山、新しい様々な技術との融合=ハイブリッドで、伝統に新しい息吹きと価値観が生まれ、技術が継承される。
「流行速度」
流行の速度と伝統技術の継承という問題の両立はなかなか難しいが、共存できる流行速度を持つ世界を探すには、新たな視点・価値観を見つけるが肝要。
「手仕事の斑(むら)」
製品の工業化(フラット化)は、モノの味わいを奪い過ぎてしまい、人々の感性や世界観を狭くしたきらいが拭えない。手仕事の味わい(斑)を愛でる文化はきっと人の感性や世界観を広げ、その柔軟性こそが様々な持続を可能にするだろう。
「絞りと街並」
先人達は伝統技術で繁栄を成し、美しい街並を残す事で幸せを築くのシステムを構築したが、現代の私達は技術文明が発達しても美しい街並すら残せず、その意味で現代人は先人程のシステムを構築できていないのではないか。
■開校式〜発表〜パーティー
開校式には河村名古屋市長も挨拶で華を添え、それより何よりこの大ナゴヤ大学に参加された人々が素晴らしく面白かったです。講座を見てもわかるように、「んっ?」とか「えっ?」とか思う事を面白可笑しく見ようとするお方が多かった!
いままで日の目を見なかった物事は、もともと情報が少ないだけで、その裏には豊かな世界が隠れている場合があって、その発見や再発見は今の閉塞感を打破する力があるに違いありません。今まで「当たり前」とか「常識」と思っていたモノも見方を変えてみる。例えば川を上るシャケを獲る権利は日本とアラスカでは違いました。
日 本:1)漁師、2)釣り人、3)クマ
アラスカ:1)クマ、2)釣り人、3)漁師
人は連綿と築き繋がってきた豊潤な物語を捨て、経済優先の物語に重きを置いて『欲望』と『自意識』を肥大させてきましたが、その進化系であるグローバルな経済至上主義はすでに行き詰まりを見せています。昨今の閉塞感はその行き過ぎた経済優先の物語を、バランスの良い着地点に導く為の改革期なのではないでしょうか。
今回の大ナゴヤ大学の着想はその意味で根源的で面白いと思います。これから毎月講義があるようなので、いろいろ楽しみが増えそうです。興味のある方は如何ですか?
**************
そうそう、有松の豪商の屋敷や、昔は船遊びが出来る程広かったという庭や茶室は雨音さえどこか風流な趣があり、また、実際の絞り染め体験や、電車内で作品を見せ合ったり、名古屋から納屋橋までものすごい豪雨の中、びしょびしょに濡れて歩いた事。パーティでは4人も知り合いが居て驚いたり、初めて逢う方ともお話しできたり、意外な繋がりがあったりと面白く楽しいひと時でした。
(有松鳴海絞りの浴衣でお披露目もあって、
パーティー会場では目立ってました!)
最後に「有松チーム」の講師の村瀬さん、鶴田さん、授業コーディネーターの難波さん初めスタッフの皆様、そして参加された学生の皆々様、いろいろありがとうございました!とても楽しいひと時を戴きました。また、是非お逢い致しましょう!今後とも宜しくお願い致します。
#
by DEPTH-TRUCT
| 2009-09-14 12:52
| 雑 記