2006年 11月 05日
ノーベル平和賞 |
ノルウェーのノーベル賞委員会は10/13日、2006年のノーベル平和賞を、貧困撲滅に尽くすバングラデシュのムハマド・ユヌス氏(66)と、同氏が総裁を務めるグラミン銀行に授与すると発表しました。
■グラミン銀行
http://www.ochanoma.info/sc_bank.html
************
随分前に雑誌アエラで、今回のグラミン銀行の話を読んだことがあります。
▼特徴は以下の通りです。
(1)普通の銀行の融資対象とならない貧困層に
小額の信用貸し付けしている。
(2)貸し手のリスク回避のための5人組融資。
(3)貧困層に融資するにもかかわらず返済率が高い(96%)。
政府が貧困対策に行った貸し出しの返済率は51.6%。
(4)担保を融資の条件としない。
(5)経済的な機会を奪われがちな女性が借り手の多くを占める。
(6)貧困層の自立を支援する。
■行き詰まる欧米型資本主義
このグラミン銀行の新たなシステム(マイクロクレジット)は、世界の貧困が実は少しシステムを変えるだけで、そこから脱出できる可能性があることを示しました。それは技術と智慧を、貧困層と言われる彼等が持っていたからで、決して人として劣っていた訳ではなかった事をも見せつけました。事実、返済率の高さがそれを物語っています。
それは、見方を変えれば現代的な欧米型資本主義が多くの貧困層を、その反動として作り出していたと言えるのかも知れません。何故なら、ユヌス氏が最初に個人的に融資した額は”たった6ドル”でした。そのたった6ドルがなかったが為に、高利貸しからから逃れられない日々を送らざるを得なかった。つまり現代的な欧米型資本主義は、貧富の格差を助長しやすい構造だった。”金が金を産む”けれど”人が金を産む”構造にはどうも興味が薄らいでいったように感じられます。
最近の南米で反アメリカを唱えている国々はその事に気付いているからと言えるのではないでしょうか。
■貧困から自立へ
グラミン銀行のもっとも革新的な事は、”貧困から自立への一貫した姿勢”です。本来なら国がやるべき政策であり、日本のODAも建前はそこを目指していたはずです。
グラミン銀行には借り手に以下のスローガンを唱和させます。それは”貧困から自立”するためのスローガン。
<グラミン銀行の16の決定>
1. 規律、団結、勇気、勤勉が4つの原則
2. 繁栄は家族とともに
3. 家を共同で建てる
4. 野菜を育てる
5. できるだけたくさんの種をまき、育てる
6. 家族計画をたて、消費をおさえ、健康に留意する
7. 子どもに教育を与え、教育費を自分で稼げるようにする
8. 子どもと環境を清潔に保つ
9. トイレを作り使う
10. 水を水道から飲む。
それが無理なら湯沸かしをするか明礬を使う
11. 子どもの結婚に持参金を持たせないし要求もしない。
12. 不正義を許さない
13. より大きな収入のために投資をみんなでする
14. もし誰かが困難にあるなら相互に助け合う。
15. 規律の破壊があることを知ったら、
そこに行って規律を恢復することを助ける。
16. 社会活動にみなで参加する。
いま、ユヌス氏の最終目標は「世界の貧困人口を2015年までに半減させる」ことなのだそうです。世界の最貧国の一つで、「世界の善意の墓場」とも呼ばれていたバングラディッシュから、今や60カ国以上、先進国アメリカでも、このマイクロクレジットは採用されているそうです。
今回のようなノーベル平和賞は、信用できる確かなものの存在を教えてくれました、本当に素晴らしい!!
■グラミン銀行
http://www.ochanoma.info/sc_bank.html
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随分前に雑誌アエラで、今回のグラミン銀行の話を読んだことがあります。
▼特徴は以下の通りです。
(1)普通の銀行の融資対象とならない貧困層に
小額の信用貸し付けしている。
(2)貸し手のリスク回避のための5人組融資。
(3)貧困層に融資するにもかかわらず返済率が高い(96%)。
政府が貧困対策に行った貸し出しの返済率は51.6%。
(4)担保を融資の条件としない。
(5)経済的な機会を奪われがちな女性が借り手の多くを占める。
(6)貧困層の自立を支援する。
■行き詰まる欧米型資本主義
このグラミン銀行の新たなシステム(マイクロクレジット)は、世界の貧困が実は少しシステムを変えるだけで、そこから脱出できる可能性があることを示しました。それは技術と智慧を、貧困層と言われる彼等が持っていたからで、決して人として劣っていた訳ではなかった事をも見せつけました。事実、返済率の高さがそれを物語っています。
それは、見方を変えれば現代的な欧米型資本主義が多くの貧困層を、その反動として作り出していたと言えるのかも知れません。何故なら、ユヌス氏が最初に個人的に融資した額は”たった6ドル”でした。そのたった6ドルがなかったが為に、高利貸しからから逃れられない日々を送らざるを得なかった。つまり現代的な欧米型資本主義は、貧富の格差を助長しやすい構造だった。”金が金を産む”けれど”人が金を産む”構造にはどうも興味が薄らいでいったように感じられます。
最近の南米で反アメリカを唱えている国々はその事に気付いているからと言えるのではないでしょうか。
■貧困から自立へ
グラミン銀行のもっとも革新的な事は、”貧困から自立への一貫した姿勢”です。本来なら国がやるべき政策であり、日本のODAも建前はそこを目指していたはずです。
グラミン銀行には借り手に以下のスローガンを唱和させます。それは”貧困から自立”するためのスローガン。
<グラミン銀行の16の決定>
1. 規律、団結、勇気、勤勉が4つの原則
2. 繁栄は家族とともに
3. 家を共同で建てる
4. 野菜を育てる
5. できるだけたくさんの種をまき、育てる
6. 家族計画をたて、消費をおさえ、健康に留意する
7. 子どもに教育を与え、教育費を自分で稼げるようにする
8. 子どもと環境を清潔に保つ
9. トイレを作り使う
10. 水を水道から飲む。
それが無理なら湯沸かしをするか明礬を使う
11. 子どもの結婚に持参金を持たせないし要求もしない。
12. 不正義を許さない
13. より大きな収入のために投資をみんなでする
14. もし誰かが困難にあるなら相互に助け合う。
15. 規律の破壊があることを知ったら、
そこに行って規律を恢復することを助ける。
16. 社会活動にみなで参加する。
いま、ユヌス氏の最終目標は「世界の貧困人口を2015年までに半減させる」ことなのだそうです。世界の最貧国の一つで、「世界の善意の墓場」とも呼ばれていたバングラディッシュから、今や60カ国以上、先進国アメリカでも、このマイクロクレジットは採用されているそうです。
今回のようなノーベル平和賞は、信用できる確かなものの存在を教えてくれました、本当に素晴らしい!!
by DEPTH-TRUCT
| 2006-11-05 23:54
| 雑 記