2008年 07月 25日
船、山にのぼる |
ある建築系のページでこの記録映画の事は知っていました。「名古屋でやらないかな〜」と思っていたら、名駅西の「シネマスコーレ」さんで掛かっていると知り、早速行ってきました。
元は、今から10年前に出逢った一冊の本
灰塚アースワークプロジェクト
船をつくる話1998
PHスタジオ
それは、広島県の北東部の山間に計画された、ダムに沈む地域の自然と文化を一つのネットワークで繋げようとする試み。
家や庭の木々、畑の土まで引っ越すという荒技の中、水没する山の木々だけは廃棄される運命だった。そんな森の木々を集めて『船』を作り、ダムの冠水を利用して山の上に”引っ越し”させようという壮大なプロジェクト。
これは凄く不思議な映画です。とかくダムに飲み込まれる人々や地域、文化はその大きな力の前に、脱力して行く術しか見いだせないのを様々なニュースやドキュメンタリーなどで見てきましたが、ここでは『船をつくる』ということで、様々な想いを重ねて救い上げて行くのです・・・そう、『ノアの箱船』のように。
それは現代の寓話のようでいて、12年間に及ぶ現実です。こんな非生産的な事に多くの人々が気に留めて、参加して愛おしむ。本来なら無くしていたかもしれない人々の繋がり、過去との、地域の、自然との繋がりを再認識させる装置となる。
ダムができ、冠水時に水面に浮かぶ『船』。それは筏(いかだ)のようで、じつに美しい。
このプロジェクトは『アート』の持つ役割のひとつを端的に見せてくれます。それは様々なモノの間に忽然と在って、意識する者の力によって繋げ、結びつけて行く。
「Phスタジオ」は美術+建築+写真家からなるユニット。建築にもこんな事ができると見せてくれた。
そして、船は山にのぼった。
『船、山にのぼる』
http://www.fune-yama.com/
元は、今から10年前に出逢った一冊の本
灰塚アースワークプロジェクト
船をつくる話1998
PHスタジオ
それは、広島県の北東部の山間に計画された、ダムに沈む地域の自然と文化を一つのネットワークで繋げようとする試み。
家や庭の木々、畑の土まで引っ越すという荒技の中、水没する山の木々だけは廃棄される運命だった。そんな森の木々を集めて『船』を作り、ダムの冠水を利用して山の上に”引っ越し”させようという壮大なプロジェクト。
これは凄く不思議な映画です。とかくダムに飲み込まれる人々や地域、文化はその大きな力の前に、脱力して行く術しか見いだせないのを様々なニュースやドキュメンタリーなどで見てきましたが、ここでは『船をつくる』ということで、様々な想いを重ねて救い上げて行くのです・・・そう、『ノアの箱船』のように。
それは現代の寓話のようでいて、12年間に及ぶ現実です。こんな非生産的な事に多くの人々が気に留めて、参加して愛おしむ。本来なら無くしていたかもしれない人々の繋がり、過去との、地域の、自然との繋がりを再認識させる装置となる。
ダムができ、冠水時に水面に浮かぶ『船』。それは筏(いかだ)のようで、じつに美しい。
このプロジェクトは『アート』の持つ役割のひとつを端的に見せてくれます。それは様々なモノの間に忽然と在って、意識する者の力によって繋げ、結びつけて行く。
「Phスタジオ」は美術+建築+写真家からなるユニット。建築にもこんな事ができると見せてくれた。
そして、船は山にのぼった。
『船、山にのぼる』
http://www.fune-yama.com/
by DEPTH-TRUCT
| 2008-07-25 12:30
| 建築雑記