父の老いを通して |
先月の7月22日の日曜日、午前11時過ぎ父が居なくなりました。3時間程探しましたが見つからないので警察に届け出て捜索し続けましたが見つからず、結局、ご近所の大家さんが見かけてくれて、9時間後の20時頃無事発見出来ました。

■体調不良
ホント無事で良かったのですが、9時間ぐらい歩いたからでしょうか、車に乗り込んだら自分で足をさすってました。自宅に帰るなり、ご飯をめずらしくおかわりしてさっさと寝てしまいましたが、よっぽど疲れたようです。
問題はその後でした・・・。
感情が高ぶるのか、以下の症状が顕著に現れだしました。
・泣いたり怒ったりと言った感情の起伏が激しくなった。
・ひとり言が増えた。
・幻覚を見るのか、人が居るなどと言い出した。
・夜中に眠らなくなった。
・徘徊が出だした。
・暴れるようになった。
そんな状況を心配して、親戚が10人程来てくれたり、姉が何日も来てくれたりしました。義兄や従兄弟、叔父などはこの状況を見て、施設なども考えたらどうかと助言も貰いましたが、とりあえず主治医に診てもらおうとなりました。

■原因の特定
主治医に診てもらうと、意外な事実が分かりました。血液検査の結果『脱水症状』との事でした。やはり9時間の行方不明=徘徊時が脱水症の引き金になったようです。
つまり、特に高齢者では脱水症などの全身状態の変化を契機として、比較的急激に夜間の不穏、興奮、妄想、幻覚などの症状がみられたり、あるいは一日中元気や意欲がなく、もうろうとした状態となる場合があるそうです。
原因の特定が特定出来たおかげで、集中的な点滴と飲み薬で様子を見る事になりました。

■戸惑いから
点滴と飲み薬のおかげで、わりと早く改善がみられたのは正直とても助かりました。ただ、今回の父の変化は母と姉にとって少なからずショックだったようです。私自身も夜はいつ出て行かれてもいいように、普段着のまま横になってかなり寝不足でもありました。
母と姉は父に言う事を聞かせようとするので、逆に父は反発するし、自分も疲れてしまうというスパイラルに陥っていました。
そんな時に姉が先輩から貰った以下のメールにはカウンセリングを受けての心得が届いていましたが、その対処の仕方では我慢による苦しみだけが残りそうです。
「10年続いた地獄の介護の日々。男は弱いんダヨ。理屈抜きに イエスマンになる。 ワガママを許してあげる。喜ぶ事を認め 悔いの無い一日を 過ごした方が本人の為になる、長生きさせようと思わない事。親の介護が出来た事は苦しかったけど 子育てよりは楽かな、ありがとう と言われたから。乗り切るしかない!
カウンセリングを受けた答デス 」
皆さん同じような経験をしている年代なのですね。ただ、この状況をどう捉えるかは人それぞれで、それによって自分と言う次世代への「智慧=気付き」が変わってしまいます。
私の知り合いは『いつか行く道』と教えてくれましたが、そう言った教えを乞う姿勢がないと行き詰まるのかもしれません。すべてを受けとめつつ、受け流す術を身につける事もその教えの一部のようです。私たちは自分に与えられた生の場=環境の中でしか生きられないのです。
だからこそ、介護の多くの問題は介護する側の心の問題であり、介護する側の態度=心のあり方に介護を受ける側は敏感に反応します。試されているのはいつも健常者と言う人達と感じています。まずは、自分の中で如何に自分自身の解決が計れるのかが肝要なのでしょう。社会はその手助けでよいのではと思っています。


まあ、そうは思いつつもへなちょこなので、へこたれながら行くのでしょうね。(笑)